京都大学

教育方法学研究室

京都大学大学院教育学研究科 教育方法学・発達科学コース

教育方法学分野(教育方法学研究室)

「教育方法学」は、教育を子どもの発達を助成する意図的な働きかけの営みとして捉え、その効果的なあり方を探究する学問分野です。教育方法学研究室は、教育現場との対話と通じて、教育問題の解決を模索するとともに、その地道な営みの中に教育学を問い直し、編み直す源泉があると考えて研究を進めています。とりわけ、初等・中等教育を主たる対象としつつ、教育目的・目標、カリキュラム、教材・教具・施設、教授行為と学習形態、さらには教育評価などを幅広く研究しています。

基礎的な研究方法としては、常に現代日本における教育実践を見据えつつ、教育方法に関する歴史的な研究や、諸外国の理論と実践に関する文献調査や現地調査を重視してきました。また、近年では、学校や教師との共同研究を通して、新たな教育方法の開発に取り組むアクション・リサーチを積極的に位置付け、そのプロセスで教育現場に責任を持つ実践的な研究者や実践者の養成を行なっています。

2024年度方法研メンバー 京都大学清風荘にて

西岡加名恵からのメッセージ

  学校のカリキュラム改善に関心をもって研究を進めています。この十数年間は、様々な学校現場と、パフォーマンス課題やルーブリックの開発や、ポートフォリオ評価法の活用など、パフォーマンス評価に関する共同研究に取り組んできました。その中で、社会的に困難な状況にある子どもたちのニーズに応じるカリキュラム改善の在り方や、個々の学校が一歩前に進めるようなカリキュラム・マネジメントの在り方に、関心の焦点が移ってきています。

  主な著書: 『教科と総合に活かすポートフォリオ評価法』(単著、図書文化、2003 年)、『総合と教科の確かな学力を育むポートフォリオ評価法・実践編』(共著、日本標準、2004 年)、『新しい時代の教育課程』(共著、有斐閣、2005年。第4版 2018年)、『理解をもたらすカリキュラム設計』(翻訳、日本標準、2012 年)、『教職実践演習ワークブック』(共著、ミネルヴァ書房、2013 年)、『新しい教育評価入門』(共編著、有斐閣、2015年)、『教科と総合学習のカリキュラム設計』(単著、図書文化、2016 年)、『「資質・能力」を育てるパフォーマンス評価』(編著、明治図書、2016 年)、『教育課程』(編著、協同出版、2017年),『看護教育のためのパフォーマンス評価』(共著、医学書院、2017 年)、『教科の「深い学び」を実現するパフォーマンス評価』(共編著、日本標準、2019 年)、『高等学校における新しい評価』(編著、学事出版、2020 年)、『教育評価重要用語事典』(共編著、明治図書、2021 年) など。

 

石井英真からのメッセージ

  日米のカリキュラム研究、授業研究の蓄積に学びながら、学校で育成すべき資質・能力の中身をどう構造化・モデル化し、それらを実質的に実現しうるカリキュラム、授業、評価をトータルにどうデザインしていけばよいのかを考えています。小・中・高の教育現 場の先生方と一緒に、授業づくりや学校改革にも取り組んでいます。

 主な著書:『再増補版・現代アメリカにおける学力形成 論の展開』(単著・東信堂)、『今求められる学力と学びとは―コンピテンシー・ベースのカリキュラムの光と影』(単著・日本標準)、 『授業づくりの深め方』(単著・ミネルヴァ書房)、『未来の学校―ポスト・コロナの公教育のリデザイン』(単著・日本標準)、『中教審「答申」を読み解く』(単著・日本標準)、『新しい教育評価入門』(共編著・有斐閣)、『GIGA のなかで教育の本質を問う』(共 著・日本標準)、『中学校「荒れ」克服 10 の戦略―本丸は授業改革にあった!』(共著・学事出版)、『教師の資質・能力を高め る! アクティブ・ラーニングを超えていく「研究する」教師へ』(編著・日本標準)、『小学校発 アクティブ・ラーニングを超える授業』 (編著・日本標準)、『授業改善 8 つのアクション』(編著・東洋館出版)、『岩波講座 教育 変革への展望 第5巻 学びとカリ キュラム』(共著・岩波書店)、『教育学年報 11 教育研究の新章』(共編著・世織書房)など。


 

奥村好美からのメッセージ

  学校や先生方の自律性・多様性を尊重しながら教育の質を維持・改善していくための教育評価のあり方を考えています。とりわけ、オランダの学校評価に関する教育方法学的研究、日本の学校現場の先生方との共同授業研究などを行なってきました。 よろしくお願いします。

  主な著書: 『<教育の自由>と学校評価』(単著、京都大学学術出版会、2016年)、『「逆向き設計」実践ガイドブック』(共編著、日本標準、2020年) 、『変動する大学入試』(分担執筆、大修館書店、2020年)など。